コラム

「いのから始まるインサイト」 何故、ヒトは「幸せ」を定義するのが難しいのか?(#2/3)

多分、これは巷でIT企業の社長や実業家が全然イケメンでなくても、美人な女優やモデルと付き合っている様を見て、憧れたのかもしれない。もしくは、麻布十番で合コンをした87,000の会計を、誰が全部払う?とか言ってじゃんけんで決めていたバークレーズ証券にお勤めの先輩たちが、眩しく映った。
いずれにせよ、お金があれば、なりたい自分になれる気がしていた。

「1社目で修行を積んで、さらに稼げる外資系金融へ転職して、年収を上げていく」
ウォール街の兵たち同様の、未来への青写真があったけれど、
そんな未来予想図は、精神的なストレスで、いとも簡単に歪んでしまった。
5年先の年収が仮に2000万円くらいになって、裕福な生活ができたとしても、
その経済的な幸せのために、今を犠牲にすることが、私にはできず証券業界からは退任した。

「希望」とは、未来に望みをかけること。つまり、「こうなったらいいな」という見通しである。その見通しを実現させるために、今を犠牲にできる器用な人間にはなれそうもない。
「何でそんな待遇のよい会社を辞めたの?」と唆されたとき、
少し自分の行動を後悔しそうになった時期も、もちろんあった。

ただ、私はまた過去に幸せもないと思う。どんなウキウキで、リア充実な1日も、転職を決めて上司に意思を伝えた1日も、5分過ぎれば、過去は過去。
それは、幸せではなく、良くも悪くも、思い出となる。
つまり幸せは、「今」、そこにあるものに気づくかどうかであり、
未来と過去からは、感知ができないものなのだと思う。(つづく)

コラムへの質問・依頼はこちらまで
https://www.facebook.com/d.n.a.kentei/

投稿者プロフィール

いの
いの
コラムニスト。母がアイドル、兄が俳優という環境で育ち、幼い頃から家族への劣等感と葛藤に悩む。その背景から他者の気持ちに敏感になり、他社の心理を洞察する習慣がつき、非言語コミュニケーションをビジネスに活かすために18歳でコーチング資格を取得。 消費者心理、深層心理、美意識を軸に、商品のインサイト発掘に活かして企業の商品のマーケティング・PRやキュレーターとして活動。学習院大学 文学部心理学科卒。 座右の銘:大好きなことは時計で測れる

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です