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「いのから始まるインサイト」 何故、ヒトは「住所非公開」の飲食店にいきたがるのか?(#2/3)

当然、芸能人は誰しもが選択できる職業でない。厳密にいうと、選択はできるが、生活できるまでの芸能人になることができない。自称芸能人には明日からなれるが、世間から知名度と好感度を得られる人は一握り。また、生まれ持った遺伝子が大きく左右する職業だ。ルックスの良し悪しは、全員が平等でないため不公平だと感じることもあるが、神様はルックスを誰もが平等にしようとしていないので自然の摂理である。
染色体は整形ができない。だから、その人のルックスという運命は、遺伝子という抗えない要因によって容赦なく決定されているのだ。実は、芸能人だけでなく、パイロットも同じである。パイロットになる条件には、視力が求められるからだ。MBAを取得していても、身長180㎝超えの超絶イケメンでも、近視が強ければパイロットにはなることができない。

そう考えると、今、あなたがしている仕事も、実はあなたにしかできないものかもしれないと勇気がわく。そんな幸せな環境でも私たちは、自分たちが手を伸ばしてもたどり着けない世界や場所を渇する。隣の芝はいつも、青い。
「1度きりの人生、このままでいいのだろうか?」と疑心暗鬼になりキャリアを見直すことがある。一方で、超スターやアーティストにはなれない自分を無意識に悟り、なれない自分にどこか安堵を浮かべている矛盾もある。その矛盾のキャッチボールが、平凡と呼べる生活だ。そして、その平凡な日常のスパイスとなりえるものが「秘密」。
いわば、非公開な情報だ。(これを言うために、ここまでお付き合い頂き、有難うございました。)

つまり、飲食店の情報が「非公開」であればあるほど、無性にその店を探したくなる衝動に駆られる。正体を暴きたくなる。結果的に、暴けそうで暴けないものもある。「しかし、努力をすれば、はたまたお金を投じれば、秘密の正体が明かすことができる?」に、人は惹かれるのだと思う。住所や電話番号非公開の店、完全紹介制、会員制の店はなくならない理由が、心理と顧客インサイトを逆手にとったマーケティングにある。

中目黒のある和食店は、店名と住所のみがグルメ雑誌に公開されていた。
大学2年生の頃にそれを読んだ私は、ものの見事に店側の術中にドハマりして、
行動を促されていた。(つづく)

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投稿者プロフィール

いの
いの
コラムニスト。母がアイドル、兄が俳優という環境で育ち、幼い頃から家族への劣等感と葛藤に悩む。その背景から他者の気持ちに敏感になり、他社の心理を洞察する習慣がつき、非言語コミュニケーションをビジネスに活かすために18歳でコーチング資格を取得。

消費者心理、深層心理、美意識を軸に、商品のインサイト発掘に活かして企業の商品のマーケティング・PRやキュレーターとして活動。学習院大学 文学部心理学科卒。

座右の銘:大好きなことは時計で測れる

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