コラムフード

「いのから始まるインサイト」 何故、ヒトは「住所非公開」の飲食店にいきたがるのか?(#1/3)

ヒトは、「珍しいものが見たい」、「秘密を知りたい」という根源的な好奇心、ないし非常に強い欲求がある。 例えば、週刊誌が良い例だろう。ヒトの欲求を掻き立てることで出版されている。日常がベールで被われた「芸能人の●●と△△の熱愛・破局報道!」に対して読者がいちいち一喜一憂する理由は、「自分が知らない世界」のほんの一瞬の場面を覗くことができた達成感、優越感、高揚感からくると思う。 ここまで読んで、「あれ、飲食店のハナシは?」と思われる方、もうしばらくお付き合い願いたい。

そもそも「芸能人」は、友人や家族、知り合いでなければ、赤の他人である。その他人の恋愛事情を地上波やメディアに取り上げて経緯まで説明することは不思議な文化である。出逢いの数だけ、別れもある。そんな繰り返しは、日常茶飯事に世界中で起きているわけで、決して不思議な出来事ではない。むしろ私は、親交の深いトーク下手な友人に、ようやく彼女ができたこと方がよほど興奮するだろう。

それでも芸能ゴシップが絶えない理由は、どこか芸能界という仕事場を“大衆の私たちでは行けない世界”と妄想しているからだと推測できる。カリスマと揶揄される芸能人。「マジで、神!」という表現から分かるように、まるで神様として崇拝される傾向がある。自分の住む世界と別格にいる人物をひとくくりにして「芸能人」と呼称している。
ただ、残念ながらそれは妄想である。芸名を伝えれば国民の5人に1人は認識できるような俳優・歌手・タレントと食事を何度かご一緒したことがあるが、話をしてみると、そこには大差がないことに気づく。

結論、「ヒト」である。

夜になると眠くなるし、美味しいものを「美味しい」と表現する。本能的に楽しいことが好きで、仲間と戯れながらお酒を飲んで頬を赤らめている。ずばり、生物学的にも一緒である。自分と何が違うかを考えたとき、答えは「職業」の選択だけである。芸能人はITでもなく、食品でもなく、芸能界という業界を選んで、働いているだけなのだ。(つづく)

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投稿者プロフィール

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いの
コラムニスト。母がアイドル、兄が俳優という環境で育ち、幼い頃から家族への劣等感と葛藤に悩む。その背景から他者の気持ちに敏感になり、他社の心理を洞察する習慣がつき、非言語コミュニケーションをビジネスに活かすために18歳でコーチング資格を取得。 消費者心理、深層心理、美意識を軸に、商品のインサイト発掘に活かして企業の商品のマーケティング・PRやキュレーターとして活動。学習院大学 文学部心理学科卒。 座右の銘:大好きなことは時計で測れる

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