釣り高知

いつの間にこんなにどっぷりハマったか?5年前のあの日を振り返る

筆者のバス釣りは、2012年のゴールデンウィークから始まりました。
それまでにも、釣り場を訪れルアーを操る経験はほんの少しだけあったのですが、その時には現在のような感覚にはなれず。
そんな訳で、筆者のバス釣りの歴史は実質的にちょうど5年前の5月から始まったと言えます。
40歳を超えてから、それもアウトドアにのめり込むなどとは思いもしなかったのですが、たった5年の間にバス釣りを通じて様々な出会いやお付き合いが始まり現在に至ります。
そして、釣行回数やいろいろな経験を重ねる毎にその面白さや厳しさを体感し、その奥の深さに魅了されていくのだろうと思っています。
今回は、その2012年の春の釣りを回想してみたいと思います。

筆者の周囲には、ボートを所有して各地の水辺を回ってバス釣りを楽しむという本格的なアングラーが何人かいました。
会話の中でもよくその風景は感じられ、楽しそうな雰囲気に「たまにはそういうのも良いなぁ」程度の気持ちにはなっていました。
で、ひょんなことから、筆者は釣り竿とリールを手に入れるのです。それもまた周囲の仲間から譲り受けるという形で。
今となっては確認の方法もないのですが、おそらくはバスフィッシング用のロッドではなく、非常にやわらかく短いものでした。それを手にすることが、周囲の仲間とともに水辺に赴くきっかけになったことは言うまでもありません。

前日は釣具屋さんで消耗品の買い物です。あまり意味もわからず仲間たちに促されるままに、まず5lbのフロロカーボンラインを購入。ナイロン製のラインと比較するとやや高価ですし、さらには5lbを選択する理由さえわからない(笑)。
リールを店員さんに預け巻き込みを依頼し、また買い物に戻ります。オフセットフックと呼ばれる、アルファベットの「Z」の字の形に曲がった部分のあるフックと、何の変哲もない15cm程度の棒のようなワームを、これまた仲間達に促され購入。
ともあれ、とりあえず明日の釣りはこれでできる状態に。この段階では「まぁ仲間とたまに遊ぶんだから、釣れなくても少々の出費は別に」的な、まぁ冷やかな感覚でいました。

そして当日。初釣行は、現在のホームレイクとなっているダム湖。
随分と深い山の中。そんな山中へ入り込むことは正直何年ぶりだったでしょうか。インドアの趣味しか持ったことのない筆者にとって、「帰れなくなったらどうしよう」みたいな一抹の不安を抱えたままの道中だったことを今でも思い出します。
本当に釣り人以外は誰も来ないであろう山道の脇に車を止め、仲間たちは手慣れた様子でタックルの準備にかかります。この段階でも「うわーこいつらけっこう本気モードなんだなー」的に、冷静にその様子を眺めていました。

そこから徒歩でけものみちを移動します。いわゆる山岳トレッキングです。身体を動かす趣味や習慣がほとんどなかった筆者は「これキツいじゃん、体力がついてこないかも」という不安にさらされます。距離は短いものの、足場の悪い急斜面を下っていきました。
しかし、フィールドに降り立って見た風景は、これまでに写真でしか見たことのない、ある意味シュールな光景でした。ダムができるまではここは山林だっ たであろう場所。木の切り株が点在し、大岩が張り出し、そして澄み切った水をたっぷりと湛えたダム湖の全貌でした。
心地よい風が流れ、木々の緑が鮮やかな美しいダム湖のほとりで、しばらくその風景に目を奪われていました。ここで釣りをする。筆者のテンションはやや上向きになりましたが、そこで仲間たちはそれぞれがとっとと釣りを始めてしまうのです。風景などには目もくれず。
ともあれ、筆者も昔の記憶をたどりながら、ロッドにラインを通しフックを結び棒のような何の変化もないワームをセットし、いざ初キャスト。意外にもけっこうな飛距離。仲間たちは口を揃えて30秒は動かすなと言うもんですから、その通りにするのですがこれが退屈で仕方ない。ついリールで巻いてみたり、ロッドの先端を揺すったり、いろいろやって みたくなるんですね。もちろんうんともすんとも言う訳もなく。
そのうち、ちょっと離れたところで仲間の声が聞こえ騒がしくなったので、筆者もルアーを回収しそっちへ向かいます。

仲間のひとりが釣りあげたビッグバス。実測は49cmだったらしいのですが、筆者は50cmに達していたと今でも信じています。
とにかく激しいファイトだったそうで、こんなサイズを目の当たりにしたのはもちろん初めてでした。さらに衝撃だったのは、今まさに筆者が使っているリグと全く同じものでの釣果だったのです。
これを見て筆者は考えが変わりました。これで彼らの言う通りにすればブラックバスに出会えるかも知れない。自分で言うのもなんですが、そこからは集中力が違っていた気がし ます。
もう一度ロッドを握り、キャスト。30秒待って、ゆっくりロッドでルアーを引っ張り、余った糸だけをリールで巻き上げる。その繰り返しは本当に面白くも何ともない作業ですが、とにかくそれを繰り返します。そして、ついにその時はやってきます。
ロッドでルアーを引きずっている時の変な違和感。先ほどまで頻繁に感じていた、ルアーが水底に引っかかる感覚とは異なる抵抗を感じました。反射的にロッドの先端を大きく上にあおると、右方向に強く引っ張る、明らかに生物のそれであろう反応が筆者のこれまでの悶々とした気分を全て弾き飛ばしてしまいました。
そう、ついにこのフィールド初のブラックバスです。それを自覚してから足下にサカナを連れてくるまでの記憶はありません。夢中でロッドを操り、夢中でリールを巻き上げました。

そのうちサカナが足下に寄って来てその魚体が見えるまでになると、次にどうすればいいかわからず悩みました。ほんの30cm程度の小さなバスなのに上手くキャッチするためにはどうすればいいものか。とりあえず逃がしたら悲しいので先に写真を撮ってみたり、訳のわからない行動に出ていますね。
「釣れたー? やったじゃんー とりあえず陸に引きずり上げてみなー」
あぁそうか、と思いました。別に水からキャッチしなくても陸に上げてやれば逃げることもない。というか、そのくらいも判断できないほど気持ちが高揚していたのかも知れません。ともあれ、ついにブラックバスを釣ったのです。舞い上がっていて詳しい記憶がないながらも、この瞬間の嬉しさはおそらく一生忘れないでしょう。
この日、人生で初めて複数のブラックバスを釣りました。筆者のような完全なる初心者でも、複数のアタリを味わい複数のファイトを堪能することができた訳ですから、再びここで釣りたいと思うのはごく自然な流れだったと思います。この釣りの経験が、筆者を釣りの世界に引きずり込んだのです。

そして現在。
あのときのルアーがノーシンカ―という実績の高いリグだったことや、ラインは5lb以上になるとやや扱いにくくなることも知りました。
地面にサカナを上げるときには極力水に濡れたところを選んだり、スピニングリールのドラグの調整の仕方も学びました。
ある時は西へ、またある時は東へ釣り場を求め、様々なルアーやリグと出会いそれを試し、試行錯誤の応酬に次ぐ応酬を経て、あれから早くも5年。残念ながら釣りは大して上達していません。
ただ、その情熱はやや恥ずかしいほどに日々高まっていき、もっともっと釣りたいという欲求で溢れる毎日です。
久しぶりに5年前のあの日を思い出して、改めて、バスフィッシングは楽しいとじんわり感じています。

バスフィッシングに最高の季節真っ只中の現在、釣り場へ行ってみませんか? 。
もしよろしければ、風そよぐ爽やかな水辺にご招待しますよ。あの時の仲間たちのように。

投稿者プロフィール

7th-lab
7th-lab
ルアーメーカー「issei」のコンテンツ用楽曲など多くの楽曲制作を手がけるかたわら、バス釣りにいそしむマルチプレーヤー。
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