コラムフード

「いのから始まるインサイト」何故、芸能人がお忍びで食べる〆飯「特製ステーキ丼」を発見できたのか? (#2/3)

その店は、女優・田中美佐子さんが紹介していた「特製ステーキ丼」を出すビストロだった。
写真の「特製ステーキ丼」にはホワイトソースがステーキの輪郭を絶妙に隠し、なんとも美味しそうな丼構え。今でいう、「インスタ映え」する丼である。

しかし、ステーキ丼を食べるにあたっての店情報が1つもない。
「ごめんね、お店の場所は教えられないんだ!」と、国分太一さんが両腕でバッテンをつくり、謝る写真が代わりに掲載されている。理由が、〝芸能人がお忍びで通うお店だから教えられない“、だそうだ。いやいや、こちらはそれを知るために、この本を買っている。

「随分、意地悪な本だな~」と舌打ちしながらも、出版社に問い合わせることもなく、自ら探し出そうと決意。唯一、店の場所に関する手がかりは、「世田谷区某所」という文章だけ。それを頼りにネット検索をしてみた。

「世田谷某所 特製ステーキ丼」、「世田谷某所 ステーキ丼 ホワイトソース」、
「世田谷某所 田中美佐子 ステーキ丼」
チャレンジ期間は5日間くらいだった、あらゆる検索ワードをタイプしても一向にそれらしい情報が見つからず、私は苦渋の想いで断念した。そして、月日が過ぎて、私は高校2年生になった。

本を整理していて書棚に眠っていたあのグルメガイドを取り出し、ふと読み直すと…
やはり、ステーキ丼のページで私の手は止まる。悔しい思いが脳裏によぎる。
それと同時に、“執念”という2文字が頭に浮かぶ。諦めきれなかったからこそ、引っ越しの際にもこの本は捨てられなかったのだろう。私は、この特製ステーキ丼を提供するビストロ探しを再開した。

本を買ってから3年。高校生に成長した僕は少しだけ知恵が付いていた。言うならば、「視点の変化」と「読解力」が向上していた。私は、そのページのありとあらゆる情報を見直すことから始め、本文を隈なく読むことにしたのだ。書かれている文字を零さずに、すべて受け入れてヒントを探ろうとした。すると、文中にはその特製ステーキ丼以外にも「つぶ貝のエスカルゴバター焼き」という他のメニュー名がオススメ料理として記載されていることに気がついた。(つづく)

 

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投稿者プロフィール

いの
いの
コラムニスト。母がアイドル、兄が俳優という環境で育ち、幼い頃から家族への劣等感と葛藤に悩む。その背景から他者の気持ちに敏感になり、他社の心理を洞察する習慣がつき、非言語コミュニケーションをビジネスに活かすために18歳でコーチング資格を取得。 消費者心理、深層心理、美意識を軸に、商品のインサイト発掘に活かして企業の商品のマーケティング・PRやキュレーターとして活動。学習院大学 文学部心理学科卒。 座右の銘:大好きなことは時計で測れる

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